英語には「しびれる」「肩こり」という言葉はない?
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こんにちは、阿津坂です。
この前、Warren講師からこんな質問を受けました。
「足とかがしびれた後に、血液が戻ってきた時の痛みを表す日本語ってある? 英語だとpins and needlesって言うんだけど」
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※pins and needles 文字通りだと、「ピンと針」ですよね。つまりピンや針でチクチク刺されてるような痛みのことです。面白い表現ですよね!
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あ~、あれね~。
う~~~~ん、あれ、そういえば、「正座して足がしびれる」とは言うけれど、そのシビレが取れて血液が戻ってきてる時の、あのピリピリした痛み、ってなんか言葉あったんだっけ? と考え出すと分からず。
しょうがないので、「いや、それを表す特定の言葉は日本語にはないかも」と答えました。
(どなたか知ってらっしゃる方いますか?)
で、ちょっと待てよ、と。pins and needlesって、シビレてる時のことを指すんじゃなかったっけ? でも、「シビれてる」ってnumb(発音はナムに近い。bは発音しません)だったよね?ってことで、Warren講師に聞くと、numbは無感覚の状態を指すのだとか。
確かに、足がシビレてる時にも使いますが、他にも寒さで指の感覚がなくなってるとか、山椒のビリビリした刺激で味がわからなくなっている状態なども指します。
Merriam-Websterの定義では、「unable to feel anything in a particular part of your body especially as a result of cold or anesthesia(特に寒さや麻酔の結果として、体の特定の場所が何も感じないこと)」とのこと。
なので、日本語の「しびれる」は「ビリビリを感じている状態」の方に着目していて、英語は「(寒さやシビレなどで)感覚を感じられなくなった状態」の方に着目しているので、ピリピリ・ビリビリとした感覚を表した「しびれる」という単語はないようです。
(どなたか知ってらっしゃる方がいらっしゃったら、教えてください!)
近い表現だと、Kevin講師によればやはりpins and needlesのよう。
(でも、「舌がシビレている」とかには使わなそう、、、)
似たような状態だけど、着目している点が日本と英語圏で違う。面白いですよね。
これで似た話を思い出しました。以前に「肩こりは日本人特有の症状で、欧米人には”肩こり”という言葉がない」というのを聞いていたんです。
日本人はキマジメだから、肩こりするんであって、laid-back(ゆったりした、くつろいだ、のんびりした)欧米人は肩こりなんてしないんだ、なんてひどい肩こりの私は思ってました(笑)
でも、それから数年たって読んだ記事によれば「欧米には”肩こり”という言葉はないが、同じような症状はある。ただ、それを”肩のコリ、痛み”として感じているのではなく、”back(背中)のコリ、痛み”として感じているので、back painと表現する」んだそうです。※ただしback painというと、肩~背中~腰全部が含まれます。
似たような症状なんだけど、注目するところが違う。
まだまだ他にも、こういう感覚や着目の違いを原因として、言語による表現が違うものがありそうですね!